コミュニティーに社会開発の基盤を据えることの最も重要な意味は、コミュニティーはその成員が生きる権利を全うする場であるからだと考えます。 コミュニティーは、社会的な弱者、子供、障害者、高齢者を無視し排除するものであってはなりません。 すべての構成員の生きる権利を全うする場でなければなりません。
当プロジェクトではコミュニティー福祉計画の研究とコミュニティーの、内発的、自立的計画形成 のためのツールとして、ソフトおよびハード・データを融合させ、GISを使った、コミュニティー形成を継続的に促すデータベースを作ります。コミュニティー・チェック・シートを用いて、日本を含めアジア諸都市とそのコミュニティーの事例を収集する予定です。
日本の急激な高齢者人口の増大と高齢者への医療と介護サービスの需要の増大にいかに対処するかは喫緊の国家の政策課題です。国民の税金を医療介護サービスの何にどのように払っていくのがよいのかは、国民が考えなければならないことです。日本の国民医療保険制度と介護保険制度は北欧諸国を除けば、優れた制度といえるかもしれませんが、 果たして現実には何がなされているのかを知る必要があります。プロジェクトには、医療介護の現場の記録をデータベースとして取り上げます。
日本社会は戦後70年、人口増加を資源として、世界にも稀な社会経済の発展を遂げた。
とくに1990年代まで約50年間、大規模な自然災害を受けることなく、極めて有効な国土開発が可能になった。
しかし1995年の阪神淡路大震災から2011年東北大震災、2016年の熊本地震、そして近く予測される東南海地震、東京直下型地震等からみて、日本列島は数百年ごとの大きな地殻変動期を迎えていると考えられる。
この見方には科学者のなかでも様々な議論があると思うが、地球温暖化と自然災害の多発は人為的な影響を含めて無視することは出来ない。 日本の経済発展は、1950年代から始まる国家による全国総合開発計画と大規模国土開発事業によって後押しされた。その結果、計画の意図する以上に、大都市の開発と人口と資本の集積を招いた。…
高齢者は加齢にともなう病いの結果、完全な回復には至らず、身体障害を持つことになり、車いすを含めて、様々な介護を必要とするようになります。障害のレベルによって異なりますが、介護を出来る限り低減し、自立的な生活が出来るようにすることは、本人にとっても周りの人々にとっても望ましいことです。 私は、2000年に最初の脳血栓、脳幹部血管腫で倒れましたが、手術を受け回復期リハビリテーションによって、車いすで公共交通機関を使用し、自立的に動ける生活を獲得しました。しかしその後、4年から5年ごとに病状の再発を繰り返し、2015年にも血管腫出血をみて、東大病院脳神経外科での手術治療を受けました。そのあと東京の回復期リハビリテ―ション病院で5か月のリハビリテーション訓練を受けました。2016年4月現在、障害は明らかに増えていますが、可能な限り自立的生活を目指しています。そこで回復期リハビリテーションとは何か、その意義を考え、今後高齢社会における医療と介護サービスの制度と政策を検討する、基礎的データのひとつとして示してみたいと考えます。…
今後ますます介護需要が増加するなか、外国人介護人材への期待が高まっている。 特に本年2015(平成27)年は、外国人介護人材をめぐり政府の方針が打ち出されることが予測されている。 このため、介護をめぐる政府の動向や、現時点の外国人介護人材の制度とその展望を表出化し論点を明示したい。
「介護福祉士」とは、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年五月二十六日法律第三十号)第42条の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいいます。
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Housing and Amenity Planning for Elderly: Assessing Policy by Dr. Sachiko Wakasugi
若杉幸子 高齢社会における住環境基盤整備:実態と政策の検証
高齢社会のひとつの問題は、加齢または他の理由において身体的障害を持ち、自由に自立的な行動が出来ない高齢者が増大することである。
高齢障害者は車いすから人的介助まで、暮らし、動くための、手だてが必要となり、バリアフリーとユニバーサルデザインを目指す、社会的物的環境の整備がなされなければならない。
当研究は高齢者の自立を確保するための計画概念と計画手法の指針を具体的に提起する。
21世紀のアジアは核問題をはじめ、大規模自然災害、環境汚染、人口増加、都市化、そして人権など、世界的な影響をもつさまざまな問題の震源地です。 しかしまたそれは成長の可能性の宝庫であり起爆地でもあります。ここに今必要とされる連携と協力について、日本の、そして大学、私たちの役割を考えます。