老いの日の歌 上野真城子
老いの日の歌 上野真城子
友よ友よ十二の日の友よ
幾山河越えてまみえん
心変わらず
ゆるやかに終わりへの道
歩むなり
日一日を一歩一歩と
歌を詠み ピアノを弾きて、
翻訳し、
真向法で寝る我七十六
立春にあふれる花と
コーヒーで
帰ることなきベセスダを想う
アーモンド、カシューナッツに
ピーナッツ
コロナの巣ごもり我リスに似て
いつの日も母に会いたし
今もなお
うしろすがたは楚々として
立春の日のショーウインドー
母に贈りたし若草の服
サウスウェスト
ふるさとの我がマリーナに
きらめくヨット
一瞬に輝く樹々は
ベセスダの我が家の庭の春のさかりに
ー
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更新日: 2021/02/03 -01:10 PM