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モンゴル・プロジェクト

モンゴル研修報告書 2006 Study Tour, Mongolia

関西学院大学総合政策学部上野研究室  2006 年度研究演習 (School of Policy Studies, Kwansei Gakuin University)
上野研究室は今年度モンゴル研修旅行を行いました。その報告書をここにまとめます。

1. 調査目的

 

この調査はモンゴルを訪れた海外からの観光客がどれだけモンゴルに満足しているかを調べ、それを通してモンゴルの観光産業支援につなげていくものである。

2. 調査背景

 

昨今、モンゴルには多くの観光客が訪れるようになった。モンゴルは今なお、発展途上国であるが豊富な観光資源を用いて今後ますます発展できる可能性を持っている。しかしながらモンゴルにおいてはまだまだ観光客を受け入れるシステムづくりがなされていない。社会主義体制の名残からサービス精神が根付いているとは言いがたく、トイレやバスなどの設備・施設の面でも観光客にとって満足のいくものでないことが多い。さらにより多くの外国人観光客を迎え、リピーター確保のためにも彼らが満足してモンゴルでお金を使って帰ってもらえるような体制づくりを検討したい。

3. 調査方法

対象*ゲルで宿泊している観光客
実施時期2006年9月9日から11日の3日間
実施場所ウランバートルから車で東に約1時間、
テレルジという観光客用のゲルが立ち並ぶツーリストキャンプ
実施方法アンケート調査
アンケートの内容「年齢」、「性別」、「国籍」、そのあと7つの項目、
「食べ物」、「トイレ」、「暖房」、「値段」、「もてなし」、
「部屋の清潔さ」、「総合評価」に対して5段階評価をつけてもらう。
さらにコメントとして改善点、意見、感想の欄を設けた。

4. 調査結果

 

第一に、「国籍」についてであるが、実にさまざまな国からモンゴルに訪れていることが分かった。オーストラリア、ベルギー、中国、フランス、イタリア、韓国など欧米だけでなくアジアからも多くの人がモンゴルを旅行している。ここにモンゴル観光産業発展の可能性があることが分かる。次にどの国籍であっても滞在するにあたり「トイレ」と「お風呂」と暖房の面で問題になっているようである。コメント欄にもトイレットペーパーがきちんと補充されてないこと、9月という寒い時期だけに暖かい水がでないことに対する不満が多かった。これは私たちもゲルに滞在して感じたことであり、多くの旅行者が先進国からであることを考えるとトイレとシャワーなどの不便さは耐え難いものなのだろう。最後に、国籍ごとに、韓国、オランダ、アメリカ、日本で比較すると、アジア人、韓国、日本が「もてなし」のポイントが欧米、オランダ、アメリカと間で少しポイントが離れた。文化的背景やそれぞれの国の個性がこのような結果になったと思う。これは国ごとに求めるサービスが異なるという事実を表している。欧米人についてはどの項目においてもおおよそ高いポイントが得られた点も考慮して考えるとアジア人は求めるサービスの質が高いのかもしれない。以上のことからこの調査によってまずはトイレや暖房設備は必須条件であるが、その後は国ごとに絞った設備投資がよりよいサービスに繋がることが分かった。さらに、これらのデータを長期的に取り続けることで観光産業などの分野におけるさまざまな援助や支援がどれだけ生かされているか、実際のインパクトを見ることができる点でも価値のあるものとなるであろう。

※ゲル

ゲルとは白いテントのようなもので、モンゴルでは遊牧民がこれで生活をしている。このゲルでの宿泊がモンゴルで遊牧民の生活を体験できるということでモンゴルを訪れる観光客の多くが宿泊地として選ばれている。

 

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更新日: 2012/10/30 -11:28 PM