トランプ政権の目指すものが何かは、いまだ明瞭ではない。ただ危惧されることは、デモクラシーの価値を追求しないトランプの持つ、権威主義と全体主義への傾斜である。
特にトランプの国家統治戦略として危険なことは、報道の自由に対する干渉である。自由な報道は、ジェファーソンの時代から、アメリカにおいて、個人の自由を守る最も重要な保護者であると考えられてきた。
そこに、彼は、偽りのニュース、証拠なき事実（別の事実）公衆の議論での繰り返される嘘、党派的偏見からの糾弾、メディアを恐怖させ委縮させる方法を平然と持ち込んでいる。トランプ大統領によれば、唯一の正確なニュースとは、トランプの気に入るニュースであり、メディアである。彼は気に入らないニュース組織とリポーターを威嚇し、無視すると、ツイッターで公言する。これはほとんど、ヨーロッパや日本においてのファシズムの興隆時の独裁者の言動に匹敵する。我々はまさかそんなことはないと考えて今日の現実にいたった。その原因の分析はまだ端緒に着いたところだが、遥にスピードをもって進行するトランプ政権の政策運営にしっかりと抵抗阻止しなければならない。